鄭子太極拳の主旨と性格

健康面:では“体に無理のない自然原則”で心と体を軽い運動で練り鍛え、医者いらず薬いらずの健康な体を作ります。
武術面:では華奢な女性が逞しい力自慢の男性に打ち勝つ“柔よく剛を制する巧妙な格闘技”であります。

健康面での“体に無理のない自然原則”とは常にいたわりと思いやりの気持で自分の体を大切にして、心や体を過度に酷使しないように“疲れたら休み、眠くなったら眠る。著しく空腹を感じたら、少しでも良いから食べて”、“食べ過ぎないように注意して、毎日胃腸に適切な休む時間をキチンと与える。仕事や生活で心と体に連続的または長期間の過労がないように気を付ける”、“合理的な軽い運動で全身の筋肉をほぐし、同時に全身の血液と気の流れを良くします。”
太極拳の型を演武している時、最も大切な効果は、頭と心が仕事や生活から切り離されてイライラ気分が自然に解消されることです。

以上の健康目的を達成するために鄭子導引型太極拳では型を習う時に演武の身法、歩法と心法を教えます。型の演武では筋肉の力を抜いて“心意を用いて筋肉の力を使わない用意不用力”の原則を守ります。これは頭を休ませて心に憩いを与えるためです。型の演武で技の使い方は考えません。これは心と体をほぐすためです。この太極拳が実戦で使う技はたゆまない日課に由って身についた自然反射であります。無意識の反射反撃なので相手の攻撃が我が身に達する前に相手に打撃を与える事が出来ます。これを“後発先至”と言います。
上記の“技無し拳法”では相手の攻撃が我が身に達した瞬間に反射的に反撃します。また全身滞りなく気が行き渡るように体の局部を固めたり力を入れたりしません。歩法では一歩一歩忍び足で、着地で爪先や踵を意識して足を運びます。その前に型の演武で最も大切なことは仕事や生活からしばし頭を切り離して考え事をしません。さもなければ動作を間違えたり、動作の流れにでこぼこが起きたりします。これを“無念無想無心”の原則と言います。
また実戦の時とは違って型の演武では動作が急に速くなったり遅くなったりしないで、宇宙天体の運行と同じように、最後まで同じ速度、同じ気持を保ち続けます。動作の最中、精神的に仕事や生活から開放された快い気持になれます。
頭で天を頂き足で大地をふんわりと踏みしめて、宇宙天体の悠久の流れのように体の動きを止めず、手だけを振り回すことは無く、全身一体となって相手を突く、引く、倒すのが型で見られます。演武の最中次の動作は考えません。格闘技としての技の使い方は型を習う時に脳裡に刻み込みますが、通常の日課としての型の演武では戦いを意識しないし、技の使い方も考えません。

多くの人々がこの太極拳が止められない理由は、ストレスや悩みからの解放、に加えて、気功の底力が数ヶ月毎に進歩している事を自分の体で感じていると言っています。何故ならこの太極拳の型は演武で呼吸や運気を意識しない自然気功法の太極拳だからです。
武術面では、“柔よく剛を制する原則”で華奢な女性が力自慢の逞しい男性に打ち勝つ拳法なので、相手の攻撃をまともに受けない、相手のパンチや蹴りや掴みを軽快な足さばきと巧妙な手法でかわしたり、流したり、避けたり、誘導したりします。またこの太極拳には終点即ち始点と言う原則がありますので、相手の攻撃に対して円回転式の即時攻撃が相手が逃げ出すか倒れるまで続けられます。現代社会では凶暴な通り魔、泥棒や強盗に出会うこともありえます。
本研究会では初心者が型を習う時から太極拳の護身術を教えています。

*鄭子太極拳最大の誇りは日課によって気力が湧き、持病のある人でも体調が目に見えて改善されていく事である。*
*拳芸に極まりは無く弟子たちに受け継がれ無限に成長を続ける*


お問い合わせ: zennihonteishi@tai-chi.jp


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